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Cross Review 05: Fabian Almazan – Alcanza

 

現在のジャズシーンは、ストリングスを交えた室内楽的な表現が台頭してきている。挾間美帆レミー・ルブーフケネス・ダール・クヌーセンなど弦楽器をモダンに活用する作曲家が次々と登場し、また近年の重要作でもアンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior…』やベッカ・スティーヴンス『Regina』などで弦楽四重奏が効果的に使われていた。

ピアノトリオと弦楽四重奏によるアンサンブル作品『Rhizome』(2014)が高く評価されたファビアン・アルマザンは、そんな近年の動向を象徴する作曲家の一人だ。その彼が先日リリースした『Alcanza』は、前作『Rhizome』の世界観をさらに発展させた内容で幅広い音楽ファンに衝撃を与えた。今回はそのアルマザンの最新作を、ジャズ/ポピュラーミュージック愛好家の佐藤悠 氏と、ワールドミュージックを中心に執筆する評論家、吉本秀純 氏に読み解いてもらった(掲載は50音順です)。

アルバムデータ

Fabian Almazan – Alcanza
Biophilia Records (2017)

01. Alcanza Suite: I. Vida Absurda y Bella
02. Alcanza Suite: II. Marea Baja
03. Alcanza Suite: III. Verla

04. La Voz de un Piano
05. Alcanza Suite: IV. Mas
06. Alcanza Suite: V. Tribu T9

07. La Voz de un Bajo
08. Alcanza Suite: VI. Cazador Antiguo

09. La Voz de la Percusión
10. Alcanza Suite: VII. Pater Familias
11. Alcanza Suite: VIII. Este Lugar
12. Alcanza Suite: XI. Marea Alta

Fabian Almazan – piano, electronics
Camila Meza – voice, guitar
Linda Oh – bass
Henry Cole – drums

Megan Gould – violin
Tomoko Omura – violin
Karen Waltuch – viola
Noah Hoffeld – cello


佐藤 悠「強烈な映像喚起力」

物語は急速なテンポで幕を開ける。弦楽四重奏、ヴォーカル、ピアノ、ベース、ドラムの8人が生み出す音が、様々な長さと振幅を持った波となり、重なり、離れ、複雑に絡み合い、予想も付かない展開をみせる①は、これから始まる起伏に富んだ旅を予感させる一曲。優美な旋律とともに船出し、厳しい荒波に揉まれ、光に向かって船を漕ぎ進める②、美しさに心が震える瞬間を捉えたような弦楽主体の③を含めた第一のパートは、クラシックの管弦楽法を学び、映画音楽を志向するファビアン・アルマザンの音楽の真骨頂だ。

9つの組曲からなる今作は、インタールードによって4つのパートに分割されている。アルマザンのピアノの深い残響に導かれる第二のパートは、ロマンチックで切ないカミラ・メサの歌声に胸をかきむしられる⑤が出色。情熱的な表現にラテンアメリカ出身という出自が感じられる。ここでのストリングスは一転して背後に引き、歌の伴奏として機能している点にも注目したい。その弦楽が橋渡しとなり始まる⑥は、ピアノ・トリオを前面に出したジャズ寄りの曲で、音色や質感まではっきり聴こえるリンダ・オーのベースソロが印象的だ。

オーによる、弦の震えや音の減衰に耳を奪われるベース独奏を挟んで始まる第三のパートは、バグパイプや笙を彷彿とさせる弦楽の響きや、行進のような力強い律動、極端に歪められたヘンリー・コールのドラムの破裂音に、古代の戦いの前の儀式のイメージが浮かぶ⑧の一曲のみ。強烈な映像喚起力に、サウンド・クリエイターとしての表現力の豊かさが感じられる。

コールの破壊的なドラムソロから始まる第四のパートは、鼓舞するようなリズムと、加速していくメロディに希望が溢れる⑩で大きく舵を切る。メサの弾き語りの歌声に、旅路の果てに居場所を見つけたような安堵を覚える⑪では、明滅するエレクトロニクスや光の筋のような弦を伴ったピアノソロが、大きなうねりを持った作品の中で、心の奥底に降りて行くような束の間の静けさを感じさせてくれる。再び海原へ船出し、荒れ狂う嵐の中で聴こえてくる②の旋律に過去の記憶が蘇る最終曲の⑫は、物語がここでは終わらず、冒険を何度も繰り返すことを表しているようだ。そしてそれは、ファビアン・アルマザンの音楽的な探求がこれからも続いていくことを示唆するように思える。
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吉本 秀純「ジャズ、クラシック、ラテン、電子音楽などが前例のないフォームで共存」

2年前の来日時にインタビュー取材をした際に、影響を受けた音楽家としてラヴェルや武満徹とともに、同郷の音楽家ではキューバのみならず中南米のスペイン語圏一帯で幅広い人気を誇るヌエバ・トローバのシルビオ・ロドリゲスや戦前に活躍したクラシック作曲家のアレハンドロ・ガルシア・カトゥーラの名を彼が挙げたのはとても興味深いことだった。前作『Rhizome』は、まさにそんな音楽的ヴィジョンを現代ジャズの側から具現化させたようなシンフォニックな大作であり、ピアノ・トリオに弦楽カルテットと女性ボーカルを交えたアンサンブルも、単なる“ウィズ・ストリングス”的なモノではなく、綿密に書かれたスコアと即興パートが有機的かつ掛け算的に絡み合うことを念頭に置いてコンポーズされたもの。クラシックとジャズの融合を高次元かつ独自の方法論で実現しながら、特にメロディなどにラテン圏ならではの叙情性や優美さをしっかりと兼ね備えた点も秀逸だった。

新作『Alcanza』はその発展形を示した作品だが、全体的にアッパーさとアグレッシヴさを増し、3つのソロ・パート的なトラックを挟んだ9つの組曲形式でシームレスに展開していく楽曲はアルバム全体で1曲の完全な“交響曲”となっている(実質的には各ソロで区切って全4楽章という構成か)。演奏面でもピアノ・トリオと弦楽パートはより不可分に入り組み、前作では4曲のみ参加だったカミラ・メサもほぼ全曲で歌って8人のメンバーがよりバンド的に一体感を高めているのに加え、全編で多用される変拍子チェンバー・ジャズ・ロック的な旋律やリズムをこなすチリ出身のカミラの歌声と、プエルトリコ出身のヘンリー・コールの強靭なドラミングの存在感が前作以上に浮き立っている点も聴きもの。ジャズ、クラシック、ラテン、電子音楽などが前例のないフォームで共存した痛快作。
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Interview 01: アーロン・パークス&フランキー・ルソー 慶應ライトとの共演、音楽的ルーツを語る


慶應義塾大学ライトミュージックソサイェティ
(以下”慶應ライト”)は、学生バンドながらもビッグバンド界にとどまらない存在として、現代ジャズ・ファンに知られている。というのも彼ら/彼女らはマリア・シュナイダー(composer)をはじめ現代を代表する作曲家はもちろん、フランキー・ルソーのようなまだあまり有名ではない若手作曲家の作品を日本でいち早く演奏し、ジャズファンに届けているからだ。

そんな慶應ライトが、1月下旬に現代ジャズの第一線で活躍するミュージシャンを迎えて、日本3都市をめぐるツアーを行う。ゲストは前述のフランキー・ルソー(composer)、アーサー・ナテク(ds)、そしてあの流麗かつリスクをいとわないピアニズムで現代ジャズシーンに多大な貢献をしているアーロン・パークス(p)。パークス以外のミュージシャンを簡単に紹介すると、フランキー・ルソーはCD未発表ながらも、故オースティン・ペラルタ(p)をフィーチャーした組曲”Hope”(試聴・購入はこちら)が、日本の音楽ライターたちの間でも話題になった新鋭作曲家。またアーサー・ナテクはティグラン・ハマシアン(p)の『Mockroot』に参加し、ティグランのピアノ・トリオでも2度来日した経験を持つ若手ドラマーだ。
※ドラマー、アーサー・ナテクは名古屋、東京公演のみの参加になります。ご注意ください。

そんな彼らと慶應ライトの共演をより深く味わうために、Untitled Medleyはアーロン・パークスとフランキー・ルソーにインタビューを行った。

Please click here for English version.

アーロン・パークス インタビュー

僕は曲に自分の意志を押し付けるのではなく、曲が僕を導いてくれるようにアプローチしている。

Q: 今回は慶應義塾大学ライトミュージックソサイェティのゲストなので、ソロイスト/伴奏者としてのあなたに対して質問してみたいと思います。まず、伴奏の面で好きなピアニストと、その理由を教えてください。

アーロン・パークス(以下”AP”): 僕のもっとも好きな伴奏者は、たぶんハービー・ハンコック(p)だと思うんだ。彼はスペースや機微をきかせてソロイストの演奏を優雅にサポートできるし、それと同時に、予期せぬ色や質感(colors and shapes)を演奏に加えることもできる。膨大で怖いものなしのハーモニック・パレット、ニュアンスに富んでいて力強いリズムの構成力がそれだ。

Q: それでは次に、今までサイドマンとして参加したレコーディングで好きな作品をいくつか教えてください。

AP: うーん、最初に頭に浮かんだのはテレンス・ブランチャード(tp)の『Flow』かな。あの作品ではハービー・ハンコックも、プロデューサーとしてレコーディングセッションにいたんだけど、いくつかのトラックではゲストとして参加していたんだ。ハービーがあの場にいたことと、彼のアプローチをスタジオで何度も聴けたことは、とてもインスピレーションを与えてくれた。また、同じ時期に参加したグレッチェン・パーラート(vo)のデビュー作は、今でも僕にとってうってつけの作品だ。

もっと最近の参加作でお気に入りの作品は、ダイナ・スティーヴンス(sax)の『Reminiscent』、ナンシー・ハームス(vo)の『Dreaming In Apartments』、ダファー・ヨーゼフ(vo, oud)の『Diwan of Beauty and Odd』、マット・ブリュワー(b)の『Unspoken』あたりだね。

Q: ジェイムズ・ファーム(group)、カート・ローゼンウィンケル(g)、マリア・シュナイダー(composer)のような最近のジャズ作曲家はかなり詳細に作曲をしています。ですから、ソロや伴奏の点で、あまりアレンジされていない曲とは違ったアプローチが必要になると思います。そのような複雑な曲を演奏するとき、どのようなことを考えて演奏していますか?

AP: 僕は、実際は両方とも同じプロセスに近いと考えているんだ。その音楽がどれだけオープン/フレキシブルか、あるいは複雑/構造的かに関わらず、僕の目的はどうにかして楽曲のコア(center)に到達し、そこから音楽を演奏することだ。それは、時にはより即興的で大きなリスクに挑戦することが必要になることもあるし、時には曲が自分に求めている役割を理解し、曲の雰囲気(home)に少々寄り添うこともある。しかしいずれにしても、僕は曲に自分の意志を押し付けるのではなく、曲が僕を導いてくれるようにアプローチしている。


ベン・ウェンデル(sax)のプロジェクト『The Seasons』にも参加するアーロン・パークス。

Q: あなたが所属しているジェイムズ・ファームの最新作『City Folk』について教えてください。最初の作品『James Farm』は、あなたの『Invisible Cinema』やレディオヘッドの『OK Computer』と共通するダークで内省的なサウンドでした。対照的に、第2作『City Folk』はシンプルでオープンなサウンドに変わり、最近のインディーロックやシンガー・ソングライターの作品を連想させる部分もあります。これは意識的な理由によるものですか?

AP: それは興味深いね。僕はサウンドの変化について、そういった言葉で明確に考えたことがなかった。『City Folk』ではリズム的にヘヴィだったり物憂げな雰囲気の楽曲でさえ、『James Farm』よりも楽観的な響きのハーモニーになっていることは事実だね。それは前もって計画していたというよりも、自発的に起こったことだと思うよ。

Q: フランキー・ルソーについて教えてください。彼がアレンジしたあなたの曲を演奏してみて、どのように思いましたか?

AP: フランキーは素晴らしい。去年の始めにNYのシェイプシフター・ラボで彼のラージアンサンブルを初めて聴いたんだけど、リズムとオーケストレーションのユニークなアプローチにすぐに魅了された。フランキーが手がけた楽曲を演奏するのは、彼が作ったアレンジメントの内部に分け入るという意味で冒険になるだろうね。

[彼のアレンジを]聴くひとの何人かは僕の原曲を聴き取り、それがアレンジによってカラー化されたかのように感じるかもしれないし、他の何人かはまったく別の音楽だと感じるだろう。またはその両方かもしれない。僕自身は自分の音楽に対して、本当に新しい視点を得られたんだけど、これはかなりクールな経験だよ。

Q: あなたは自身のトリオ、カート・ローゼンウィンケル・カルテット、ジェイムズ・ファームで日本に来たことはありますが、今回は慶應ライトとのコラボレーションになります。ライブではどんなパフォーマンスが期待できますか?

AP: 慶應ライトとの演奏でどんなことが感じるられるか、本当にわくわくしているよ。僕はライトの『Hope』を聴いたことがあるけど、バンドのサウンドのさせ方には実に胸を打たれた。今月末日本に行って、みんなに会うのが待ちきれないんだ!


フランキー・ルソー インタビュー

僕の音楽には”アーロン的なもの”が間違いなく沢山あるんだ。

Q: ソングライティングとオーケストレーションをどのように学んだのか教えてください。主にジャズやクラシックのアナライズを通して作曲を勉強しましたか?
フランキー・ルソー(以下”FR”): 僕は形式的、非形式的両方のトレーニングを混ぜ合わせて作曲を学んだんだ。通っていたところはジャズ系の学校だったけど、いつもクラシック寄りの講師と一緒に勉強していた。僕はジャズとクラシック両方から同等に学んでいるつもりだけど、最近はクラシックのスコアに目を通している時間が多い。一番最近だとジョン・アダムズ、トーマス・アデス、シューマンなんかだね。
最後にジャズのスコアに目を通してから少し月日がたっているから、ごく最近の僕の楽曲はそうした状況を反映していると思う。[そろそろ]バランスの良かった頃に戻らないといけないとは思うんだけど…。

Q: あなたの作品はカラフルな管楽器のオーケストレーションに加えて、サウンドエフェクトとエレクトロニックな要素が前面に押し出されています。人間のパフォーマンスとそのような要素をマッチングさせるときは、何を注意していますか?

FR: 僕はいつも、アコースティックとノンアコースティックな楽器を組み合わせた作品を書くことに魅力を感じているんだ。その組み合わせが上手くきまったときの効果は大好きだけど、僕が想像していた通りにいくことは滅多にないね。まだまだ研究中だから。

よくドミニク・メッキー(Dominic Mekky, p)という作曲家と一緒に活動しているんだけど、彼は僕の音楽のエレクトロニックな要素に多大な貢献をしている。ライブの場面ではアコースティックな要素とノンアコースティックな要素が混ざり合わないというリスクが常にあるけど、それは不可避のものとして事前に想定する(accept and embrace)ようになってきている。[だけど]ドミニクはそうした2つの要素を機能させるマスターなんだ。

Q: あなたの作品『Hope』では、オースティン・ペラルタが大きくフィーチャーされています。またあなたのブログでは、ブラームスやジョン・コルトレーン(sax)だけでなく、ルイス・コール(ds)やデイダラス(sound production)もリファレンスとして言及しています。 彼らのようなブレインフィーダー・レーベルやLAシーン周辺のミュージシャンは、あなたにどんなインスピレーションを与えていますか?

FR: オースティン・ペラルタは僕にLAのビート・ミュージシャンを教えてくれた友人だ。LAの電子音楽とジャズの音楽家の間で起きていることは、僕が求めていたものだと常々感じていた。でも、自分では電子音楽とジャズのスタイルを融合させる最適なミュージシャンを見つけることができなかった。[そんな時出会った]オースティンは、僕とは違うやり方でその方法を教えてくれた。彼は、表面上は異なるスタイルを組み合わせる独自の方法を知っていたんだ。

ブレインフィーダーのクルーたちが現代のアメリカ音楽と大いに関係していることは、誰の目から見ても明らかだ。ケンドリック・ラマー(vo, rap)の最新作『To Pimp a Butterfly』はその素晴らしい例だね。また、ルイス・コールも全く新しいことをやっている。彼は宇宙人のような存在だし、彼の作る音楽はとても凄いよ。


オースティン・ペラルタがカバーするブレインフィーダーの総帥フライング・ロータスの”Mmhmmm”。

Q: その一方で、ニューヨーク・シーンで活躍するあなたの世代のミュージシャンについて教えてください。あなたと活動をしている音楽家ではベン・ヴァン・ゲルダー(sax)とレヴォン・ヘンリー(Levon Henry, vo/g/sax)がお気に入りなのですが。

FR: ベンとレヴォンは両方とも素晴らしいミュージシャンだね。演奏するプレイヤーを念頭にスコアを書いている時は、いつも苦労をせずに済むんだ。ベンをソロイストとしてフィーチャーした作品を書いたことがあるけど、あれはとても強烈な(hard)経験だった。僕は彼がメモ書きしたアルトサックスの独奏パートの譜面を持っているんだけど、そこには僕が書いたとても難しいメロディーラインの対処方法が書かれていた。その中のメロディーラインの一つはペンでかき消され、上には[アルト・サックスでは]”演奏不可能”と書かれていた。

僕は、その時作曲家として間違いをおかしていたことを分かっていても、このエピソードが好きなんだ。なぜなら作曲中、頭の中で[演奏不可能なメロディを演奏している]ベンの音を思い浮かべて書くことができたからだ。リスクを承知で書こうとしなかったら、そんな[独創的な]メロディは[自分の頭からは]出てこなかっただろう。たとえ[メカニカルな]問題があったとしても、ベンのその演奏を入れる価値は絶対にあると思っていた。

それが僕の周りにいるNYのミュージシャンに対する気持ちだ。[ベンのエピソードが示すように、]僕は彼らから、彼らが存在しなければ思いつかない様な方法で作曲するチャンスをもらっている。彼ら彼女らと会うことができて嬉しいよ。僕にとってのミューズ(発想源)みたいな人たちだから。

Q: アーロン・パークスとアーサー・ナテク(ds)について教えてください。彼らはどんなミュージシャンだと思いますか?

FR: 二人からは大きな影響を受けている。アーサーとはもう7年間ほど一緒に活動しているけど、なるべく自分のやること全てに彼が関わるようにしているんだ。アーサーは今ドイツのベルリンに住んでいるから、[今は]一年に何度か顔を合わせる程度だけど。僕が「ドラム」という単語を思い浮かべると、まずアーサーの顔を思いだすね。

彼のプレイはビッグバンドでリズムセクションをどのように組み立てればいいかを教えてくれるんだ。僕が楽曲で融合を試みたスタイルとスタイルの間にあるギャップを、彼はさまざまな形で埋めてくれる。アーサーは親友でもあるけど、まるで僕が知らないミュージシャンのように、いまだにプレイヤーとして次に何をするか注目しているんだ。彼から学ぶことはまだまだ沢山ある。

また、僕はアーロン・パークスを10年ほど前から聴いているけど、彼と並び立つミュージシャンはこの世にいないと言える。彼の音楽をオーケストレーションすることは、僕の大きな喜びだ。本当に長い間アーロンの音楽を聴いてきたから、僕と彼の音楽性はうまく調和してくれるよ。僕の音楽には”アーロン的なもの”が間違いなく沢山あるんだ。

[アーロンの曲で僕がアレンジした]新曲はその”アーロン的なもの”をすぐに思い浮かべられるような曲だ。でも、僕自身の内面から来たクレイジーな(manic and frenzied)アプローチもしているよ。彼の作品を手に取って、[ビッグバンドアレンジの]あちこちに原曲のマテリアルをまき散らしてみた。アーロンがうまく解釈してくれるから苦労せずにできたよ。彼がインプロヴァイザーとして、どのように反応してくれるかが楽しみなんだ。

Q: あなたと慶應ライトのコラボレーションは3度目です。このバンドの魅力を教えてください。

FR: 慶應ライトにはとても驚かされているんだ。彼らは現代のラージ・アンサンブル・ミュージックにとてもとても熱心だけど、僕は今まで一度もこんなバンドのゲストに呼ばれたことはない。僕は2009年にニューヨークで会った梅垣順(sax)にこのバンドを紹介してもったんだ。順は数年前から慶應ライトのメンバーだったけど、[NYに来てからも]引き続きこのサークルと関わり続けていた。慶應ライトがレミー・ルブッフ(sax)、アーサー・ナテク、それと他の若い音楽家に作曲を依頼しているのも、彼の存在が理由だ。去年はNYで開催した一連のコンサートに、ライトを招くという幸運にも恵まれたね。全て順と、彼の好奇心旺盛な心のおかげだ。彼は音楽だけではなく、食事の趣味もいいんだよ。食べ物のおすすめの聞くと、いつもどこに行くべきか教えてくれるんだ。

慶應ライトと再び演奏できることを楽しみにしているよ。音楽以外でも、ライトのメンバーは常に一緒にいて楽しいからね。僕たちを招いてくれることを光栄に思う。

※フランキー・ルソーは現在3つのプロジェクトを抱え、レコーディングに向けて準備しているという。

ツアー日程

※ドラマー、アーサー・ナテクは名古屋、東京公演のみの参加になります。ご注意ください。
1月21日(土) 神戸 産業振興センターハーバーホール

1月22日(日) 名古屋 Goodn’ cool
1月23日(月) 新宿 牛込箪笥ホール
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※来日記念 追加決定
梅垣 順グループ feat. フランキー・ルソー&アーサー・ナテク
1月25日(水) 練馬 レディ・デイ
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