カミラ・メサ / Camila Meza

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カミラ・メサはチリ出身、主にニューヨークで活動するシンガー、ギタリスト、作曲家。ブラジル/南米系のシンガー・ソングライターを彷彿とさせる歌唱に加え、カート・ローゼンウィンケルやピーター・バーンスタイン以降のモダンなギタープレイ、声を楽器のように使うスキャットなど幅広い技術とそれを昇華させた音楽性を持っている。ファビアン・アルマサン・リゾーム、ライアン・ケバリー・カタルシスなど作曲性の強いグループでの演奏も名高い。

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バイオグラフィー

デビューまで

1985年、チリ、サンティアゴで音楽一家の間に生まれる。父親はプロとしての活動をやめてしまったが、きょうだいの多くは父親に影響されミュージシャンとしての修行や活動をしていた。彼女自身は16歳から作曲とシンガー、ギタリストとしての活動を開始し、同時にその頃パット・メセニーやジョージ・ベンソンを通してジャズに対する興味が芽生える。

その後ジャズ、ポピュラー系の音楽大学に入学。ジャズギタリストとジャズシンガーに影響され、ギターと歌を両方担当する音楽をやろうと考えそのためのバンドを結成する。母国で活動している時代は2007年にお気に入りのスタンダードを収録した第1作品『Skylark』を録音する(この時はまだ作編曲には自信がなかったという)。その後バンドを再結成し、2009年にはルーツであるロックやシンガー・ソングライター、ブラジル音楽の楽曲を編曲した第2作品『Retrato』を録音している。

師事歴
時期 学校・機関 教育家 主な内容
10代後半 Projazz Professional Institute Moncho Romero イヤートレーニング、歌
20代中盤 ニュースクール ピーター・バーンスタイン
ヴィック・ジュリス
サム・ヤヘル
スティーヴ・カーデナス
ギル・ゴールドスタイン
ジャズギターなど

渡米以降

2009年ニューヨークに渡り、ジャズギターを学ぶためにニュースクール大学に入学(2012年に卒業)。ピーター・バーンスタインやヴィック・ジュリスなどに師事する。2011年、ニューヨーク・ジャズシーンのミュージシャンとともに『Retrato』の続編として6曲のEP『Prisma』を録音。

2016年、Sunnysideレーベルに移籍し、オリジナルを中心にビクトル・ハラ、ジョン・ブライオンのカバーなどを加えた『Traces』をリリース。シャイ・マエストロ、マット・ペンマン、ケンドリック・スコットらが参加している(プロデューサーがマット・ペンマンという記述を通販サイトなどで見かけるが、実際はブラッド・メルドーやベッカ・スティーヴンスのプロデュースで有名なマット・ピアソンが担当している)。

  • サイドマンとしてはファビアン・アルマザン・リゾーム、ライアン・ケバリー・カタルシス、サッチャル・ヴァサンダニ(Sachal Vasandani)・カルテットなどに起用されている。
  • 同じチリ出身のサックス奏者メリッサ・アルダナは同時期にニューヨークに来た親友である。

作品

リーダー作

2007 – Skylark
2009 – Retrato
2013 – Prisma
2016 – Traces
2018 – Ambar

発言

好きな音楽

好きな音楽家・作品
時期 音楽家・作品 ジャンル
10代 不明 クラシック[2]
ビートルズ、ジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリン[2]、Los Tres、Los Tetas[5] ロック(特に70年代)
ビョーク、ジョニ・ミッチェル[2] シンガー・ソングライター
ビクトル・ハラ[2] チリ音楽
イヴァン・リンス[2] ブラジル音楽
10代後半 パット・メセニー、ジョージ・ベンソン、ウェス・モンゴメリー『The Incredible Jazz Guitar』[2] ジャズ
エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレエ、チェット・ベイカー[2]、サラ・ヴォーン[5] ジャズシンガー
20代 Anita Tijoux、Camila Moreno、Jazzimodo、Francisca Meza、Javier Barria、Pascuala Ilabaca チリ音楽
不明 カエターノ・ヴェローゾ[4]、エリス・レジーナ、ミルトン・ナシメント[5]、トニーニョ・オルタ[7] ブラジル音楽
メルセデス・ソーサ[5] アルゼンチン音楽
ビオレータ・パラ、イサベル・パラ、フランチェスカ・アンカローラ[5] チリ音楽
レディオヘッド[5] ロック
ジム・ホール[5] ジャズ

影響源

ギターを弾きながら歌おうと思ったきっかけはジョージ・ベンソン。カート・ローゼンウィンケル、トニーニョ・オルタからもギター+スキャットのプレイスタイルに影響を受けている。(2016.12, CD Journal)
ニュースクール大学時代の講師ピーター・バーンスタインやスティーヴ・カーデナスからは、演奏する時にメロディをきちんとコネクトさせること、表現者としてメロディの重要さを学んだ。(2016.12, CD Journal)

訳語

英語読みすると「カミラ・メザ」だが、スペイン語圏の呼び方では”Z”は”S”の発音に似ているため「カミラ・メサ」の方が近い。(参考

出典

雑誌

(2016.12) CD Journal by 柳樂光隆

ウェブサイト

[2]公式サイト The Music Journey
[4](2014) La Segunda by Alexandra Briones
[5](2011) Sonidos Ocultos by Rodrigo Damiani