アーロン・パークスはアメリカ在住のジャズピアニスト、作曲家。リーダーとしての活動の他にジョシュア・レッドマン、マット・ペンマン、エリック・ハーランドとのバンド「ジェイムズ・ファーム」や、カート・ローゼンウィンケル、マイク・モレノなど様々なミュージシャンのサイドマンとして活躍している。
バイオグラフィー
1983年、ワシントン州シアトル生まれ。自然の多いアイランド郡ウィドビー島で育ち、10歳から家にあったピアノを弾き始める(一時期クラシック・バスーンも演奏)。最初のピアノ教師はパークスに譜面を目で追うよりも即興で演奏[play by ear]することを勧め、それが後にジャズに興味を持つきっかけになる。(2008, JazzTimes)
師事歴 | |||
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時期 | 学校・機関 | 教育家 | 主な内容 |
14歳 | 夏期ワークショップ | ジョアン・ブラッキーン | 不明 |
16-18歳 | マンハッタン音楽院 | ケニー・バロン | 不明 |
10代半ば | プライベートレッスン | フレッド・ハーシュ | 不明 |
13歳でワシントン大学に早期入学し、数学、コンピューター科学、音楽を専攻。その後14歳の時に参加したジャズのワークショップで音楽の才能が認められ、16歳でマンハッタン音楽院に編入。初リーダー作『The Promise』を録音する。
18歳の時、ケニー・バロンの推薦でテレンス・ブランチャードのバンドに参加。3枚のスタジオ作品(『Bounce』、『Flow』、『A Tale of God’s Will』)とサウンドトラック『Inside Man』に参加し、この時自らのバンドでも起用し、ソウルメイトと認めるドラマー、エリック・ハーランドに出会う。
24歳でブルーノートから『Invisible Cinema』でメジャーデビュー。10年代は、ECMレーベルに所属する一方で、「リトル・ビッグ」というジャズ/ロック系バンドのリーダーとしても活動している。
- グリズリー・ベアのクリス・テイラーのプロジェクト、キャントでも演奏している。
作品
リーダー作
1999 – The Promise
2000 – First Romance
2001 – The Wizard
2002 – Shadows
2008 – Invisible Cinema
2013 – Arborescence
2017 – Find The Way
2018 – Little Big
コラボレーション作品
ジェイムズ・ファーム
2011 – James Farm
2014 – City Folk
発言
音楽観
即興について
演奏がある箇所からある箇所まで進む時、僕はいつもロジカルでオーガニックな展開(progression)を聴きたい。テーマを演奏し、(ソロでは)テーマと連携させ、それを発展させたい。ただパターンとスケールを演奏するだけでなくね。終わりから初めまでソロの道筋をさかのぼれるのが好きなんだ。(2008, JazzTimes)
『Invisible Cinema』について
伝統的なジャズリズムを持たない音楽を意識的に作ろうとしていた。僕達の時代のリズムを見つけようとしたんだ。そのレコード(Invisible Cinema)を作っていた時、僕はインディーロック・バンドの曲を見つけるためにブログを読みふけっていた。その時にたくさんの新しいテクスチャーや、典型的なジャズとは違う曲を作るための様々な方法を見つけることができた。それはロックの人々が長い間シーンでやっていることだけど、僕にとっては真新しく、その時まさに発見したことだったんだ。(2014, NewMusicBox)
影響源
影響された音楽(2014, Seattlest)
10代の頃はキース・ジャレット。その次にレディオヘッド、ブロンド・レッドヘッドなどロックのみを聴いていた時期を過ごし、その後エイフェックス・ツイン、ボーズ・オブ・カナダ、エニーウェンの『The Opiates』などのエレクトロニック・ミュージックに進み、最近(2014年は)モダン・ジャズとクラシックを中心に聴いている。
影響源・ポール・ブレイで好きな曲12トラック(2009, Jazz.com)
録音 | リーダー | アルバム | 楽曲 |
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1953 | Paul Bley | Introducing | Like Someone In Love |
1954 | Paul Bley | Paul Bley | My Old Flame |
1961 | Jimmy Giuffre | 1961 | Brief Hesitation |
1962 | Paul Bley | The Floater Syndrome | Floater |
1963 | Sonny Rollins | Sonny Meets Hawk! | All The Things You Are |
1964 | Paul Bley | Turning Point | King Korn |
1970 | Paul Bley | Synthesizer Show | The Archangel |
1972 | Paul Bley | Open to Love | Closer |
1986 | Paul Bley | Fragments | Line Down |
1986 | Paul Bley | Fragments | Seven |
1988 | Paul Bley | Solo Piano | So Hard It Hurts |
1993 | Paul Bley | Synth Thesis | Cold Fusion |
- 好きなフレーズを紡ぎ出すミュージシャンは、レディオヘッドのトム・ヨーク。「僕としては、ピアノでトムのヴォーカルのように歌いたいと思っているほどなんだ」(2014.4, CDジャーナル)
- 僕が最も影響を受けたミュージシャンはマイルズ・デイヴィス。「常に新しいことにチャレンジし続けたミュージシャンという点で(影響を受けた)」(2014.4, CDジャーナル)
好きな音楽
好きな音楽家・作品 | |||
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時期 | ジャンル | 音楽家・作品 | 出典 |
10代 | ジャズピアノ | マッコイ・タイナー、キース・ジャレット、ジーン・ハリスが参加したレイ・ブラウン・トリオ | 2008, JazzTimes |
00年代後半 | ロック | トーク・トーク『Spirit of Eden』、『Laughingstock』 | 2008, SFGate |
R&B | チョコレート・ジーニアス『Black Yankee Rock』 | ||
シンガー・ソングライター | ジョー・ヘンリー『Scar』 | ||
ポップス | ビージーズ『How Deep Is Your Love』 | ||
不明 | 映画音楽 | 武満徹、ハビエル・ナバレテ『パンズ・ラビリンス』、アルベルト・イグレシアス『トーク・トゥ・ハー』 | 2008, SFGate |
エレクトロニック・ミュージック | ブライアン・イーノ、エイフェックス・ツイン | 2008, SFGate、2014.4, CDジャーナル | |
ヒップホップ | バスタ・ライムズ | 2014.4, CDジャーナル | |
クラシック | バルトーク、モートン・フェルドマン、アルヴォ・ペルト、武満徹「弦楽のためのレクイエム」 | 2014.4, CDジャーナル | |
ソロ・ピアノ | セロニアス・モンク、高橋アキ、ラン・ブレイク、キース・ジャレット | 2013, Jazz Views | |
ジャズ・ヴォーカル | ニーナ・シモン、フランク・シナトラ、シャーリー・ホーン | 2008, SFGate |
好きなサイドマン参加作品(2017, Untitled Medley)
テレンス・ブランチャード『Flow』
グレッチェン・パーラト『Gretchen Parlato』
ダイナ・スティーヴンス『Reminiscent』
ナンシー・ハームス『Dreaming In Apartments』
ダファー・ヨーゼフ『Diwan of Beauty and Odd』
マット・ブリュワー『Unspoken』
評価
準備中
出典
雑誌
(2014.4) CDジャーナル by 渡辺 亨
ウェブサイト
(2008) SFGate by Derk Richardson
(2008) JazzTimes by Shaun Brady
(2009) jazz.com by Ted Panken
(2010) Nextbop by Matthew Kassel
(2014) NewMusicBox by Frank J. Oteri
(2014) Seattlest by Michael Nank
(2017) Untitled Medley by 北澤