R+R=NOW / Collagically Speakingから広がる現代ジャズ作品 10選

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ロバート・グラスパーテラス・マーティンが中心になって結成したグループ、R+R=NOWが今月末いよいよ日本にやってくる。結成からレコーディングに至るまでの経緯や、作品に込めた想いはこちらの素晴らしいインタビューを参考にしていただくとして、今回Untitled Medleyでは彼らのデビュー作『Collagically Speaking』とメンバー全員のイチオシ作品のレビューを敢行。「グラスパー以外はよく知らない」という方でも、音源とレビュー、当サイトのデータベース(ミュージシャン名をクリックするとジャンプします)を参考にすれば、確実に今のジャズシーンの一端が見えてくるはずだ。

レビュワーはR+R=NOWメンバーでもあるクリスチャン・スコットの昨年の注目作『The Centennial Trilogy』をレビューした佐藤 悠さん、高橋アフィさんを中心にお届け。特に『Collagically Speaking』は久々のクロスレビューにしてみた。

※アルバムアートをクリックすると、販売ページにジャンプします。

R+R=NOW / Collagically Speaking

Blue Note (2018)

Robert Glasper (p, keys) Terrace Martin (synth, vocoder) Christian Scott (tp) Derrick Hodge (b) Taylor McFerrin (synth, beatbox) Justin Tyson (ds)

with: Omari Hardwick, Terry Crews, Stalley, Amanda Seales, Amber Navran (vo)

一つのメロディを基にして即興的にアレンジ
ロバート・グラスパー、テラス・マーティン、クリスチャン・スコット、デリック・ホッジ、ジャスティン・タイソン、テイラー・マクファーリンの6人からなるプロジェクトの1作目。全編通してテーマ〜ソロという構成や、『Black Radio』連作のようなヴァース〜コーラスという展開はなく、一つのメロディを基にして即興的にアレンジされている。

アンビエント的な③に顕著だが、サウンド面では三人の鍵盤奏者が織り上げる音のレイヤーが耳に心地良い。即興的なアレンジと空間的な音像はデリックやテイラーのソロ作を想起させる。ここからは全員参加の前半①〜⑤と、一部メンバーの抜けがある後半⑥〜⑪に分けて見ていく。

前半は、①のソロ演奏で癒しの感覚をもたらすグラスパーのピアノと、②で切なさを感じさせるテラスのヴォコーダーが印象的だ。打ち込みのようにループする硬質なジャスティンのドラムと、太く柔らかく包み込むようなデリックのベースの組み合わせは聴き飽きず、グラスパーを加えたトリオでスリリングな演奏を繰り広げる④ではジャズ的な刺激も味わえる。

そして後半では、グラスパーも抜けた二人編成の⑨でのデリックのベースとテイラーのシンセが交わった電子音楽のようなサウンドの独創性に耳を奪われる。民族音楽的なサウンドにクリスチャンの音楽性が現れている⑦も面白い。後半のメンバーを絞った楽曲に現れたアレンジの幅広さが、本作に奥行きをもたらしている。(佐藤 悠)

全員がプロデューサーでもある異色のユニット
短期間でセッション的に、そして音楽性が高くて深い、そんな作品はどうやったら出来るか。本作はその回答である。

結論を言えば、プロデュース能力の重要性が示された。超一流のプレイヤー達が集まったスーパーバンド、というだけではなく、全員がプロデューサーでもある異色のユニットなのだ。サウンドの全体像を見ながら即興的に演奏を展開する、そのことが本作が予定調和的なアンサンブルからさらに進み、音楽性の高い作品になった理由であろう。特にシンセやボコーダーの、リード楽器としてではなく、トラックに埋没させながら雰囲気を変える使い方は、本作の特徴の一つ。キーボード奏者が最大3人いる特殊な編成にも関わらず、整った多層的なアンサンブルとなっている。

同時に、クリスチャン・スコット、テイラー・マクファーリンの(それぞれのリーダー作と比べての)目立たなさは、一旦の限界値であり、そしてまだまだ発展していく可能性でもある。手合わせのようでもある本作から、多数のライブを行っていくことでどう変化していくのか、来日公演が非常に楽しみだ。(高橋アフィ)

Blue Note All Stars / Our Point of View

Blue Note (2017)

Robert Glasper (p, rhodes) Ambrose Akinmusire (tp) Marcus Strickland (ts) Lionel Loueke (g) Derrick Hodge (b) Kendrick Scott (ds)

with: Herbie Hancock (p / 7) Wayne Shorter (ss / 7)

ブルーノート75周年を機に、ロバート・グラスパーを中心にレーベル在籍ミュージシャンによって結成されたグループ。ただのオールスターバンドとは違い、ほぼ全てのメンバーがゴスペルを中心とした黒人音楽にルーツに持ち、学生時代からそれぞれ面識があり、デビュー後も共通のシーンで活動してきているため、音楽的には非常にまとまっている。その中でアフリカ・ベナン出身で他の5人とはやや音楽性が異なるリオーネル・ルエケが、エフェクティブなギターで清涼感やアクセントを与えているのが印象的だ。

ケンドリック・スコット作曲の②や大御所ウェイン・ショーター作曲の⑤では、ホーンが咆哮しピアノがフレーズを畳み掛ける手に汗握る白熱の演奏。一方、アンブロース・アキンムシーレ作曲の④ではトランペットとオーバーダブしたベースによる室内楽的なアレンジを行い、デリック・ホッジ作曲の⑥ではグルーヴの上でメロディ楽器がテクスチャー的なフレーズで彩り、アルバムが一本調子にならないように工夫している。

そしてグラスパー作曲の⑧(ルエケの『Heritage』に収録)は、ラテンっぽさもある縦ノリの変拍子の上でフェンダー・ローズが軽やかにフロウ。「エクスペリメント」では聴けないモダンジャズ的な力強い要素もあり、彼の作曲の中では意外と貴重な演奏だ。そこからゴスペルやフォーク・ミュージックを背景に持つホッジの楽曲センスが炸裂した⑨への流れが、この作品のクライマックス。(北澤

August Greene / August Greene

Independent (2018)

Common, Samora Pinderhughes (vo) Robert Glasper (p, keys) Burniss Travis (eb) Karriem Riggins (ds)

with: Brandy, Bilal, Estelle (vo) Elena Pinderhughes (fl) etc

「ハービー・ハンコックとピート・ロックのミクスチャー」
ラッパー、コモンが『Black America Again』(2016)でプロデューサーに指名したカリーム・リギンズとロバート・グラスパー*1。その後も音楽的な関係は続き、今度は「オーガスト・グリーン」という三者対等のグループに発展。デビュー作となる今作は、事前に曲を作ることなくスタジオでジャム・セッションを重ねながら制作したという。

アルバム全編を通して、コモンの食ってかかるような硬派なラップと、サモラ・ピンダーヒューズのアンニュイで浮遊感あるヴォーカルのコントラストやブレンド具合が印象的。リギンズは⑤でハンドドラムも交えながら、Jディラ的な質感・ディレイ感のあるバキバキしたドラムを叩いており、本作の一番の聴きどころになっている。一方、グラスパーはソロらしいソロは⑧くらいしか無いものの、フレーズを聴けば一発でグラスパーと分かる流麗なコンピングでサポート。特にコモンが抜けた⑥や、ヴォーカルにブランディを招いたカバー曲⑩では、楽曲・アレンジ自体に『Black Radio』前後のグラスパーっぽさが現れている。

コモン曰く「ハービー・ハンコックとピート・ロックのミクスチャーが感じられる」サウンド(インタビュー)。制作手法や、メンバーそれぞれの背景が素直に出た風通しの良い作風は『Collagically Speaking』とも共通している。(北澤)

Terrace Martin / 808s & Sax Breaks

Stampede Management (2009)

Terrace Martin (as, synth, sampler, production) Wild Animals (production)

テラス・マーティンのソロ作としては初期の作品。カニエ・ウェスト『808s & Heartbreak』のカヴァーEP。ヒップホップをジャズに”翻訳”した作品は多くあるが、ここで行われているのは、そのままヒップホップであり、それがジャズでもある音楽だ。

トラックはTR-808とシンセサイザーを多用した原曲とほぼ同じ。またメロディラインも忠実で即興性は最小限な一方、エフェクトや多重録音の使用、またサックス自体の音色やリズムの探求(ラップから影響は言うまでもない。原曲のカニエのフローと聞き比べて欲しい)により、シンプルなトラックに溶け込みながら、同時にジャズ・ミュージシャンでもある表現を可能にしている。この延長線上に彼の他の作品もあると言えるだろう。

彼の作品としては、唯一ゲストがいなく、また彼の代名詞であるボコーダーも使用していない。純粋にサックス・プレイヤーとしての側面がわかる音源でもある。(高橋)

Terrace Martin / Sounds Of Crenshaw Vol.1

Ropeadope (2017)

Terrace Martin (as, synth, vocoder) Marlon Williams (g) Brandon Owens (b)

Robert Glasper, Chris Cadenhead, Craig Brockman, Kenneth Crouch (p) Curly Martin, Robert Searight (ds) Trevor Lawrence Jr. (drum program)

Rose Gold, Preston Harris, Wyann Vaughn, Chachi (vo) Kamasi Washington, Adam Turchin (sax)

LAヒップホップの延長であろうとする圧倒的なメロウさ
テラス・マーティンの新プロジェクト「ポーリーシーズ」のデビュー作。ジャズともヒップホップとも言い切れない音楽性は、二つのキャラクターを両立させようとしていた過去作から考えると大きな変化だ。代わりに雑多なルーツは溶け合い、ジャケに書かれているような、メロウでスムースなLAの風景そのものなサウンドとなった。歌ものが多いことにも表れているように、プレイヤー中心というよりも楽曲中心で(ただし参加メンバーはロバート・グラスパー、カマシ・ワシントン、ロバート・シーライトなど鉄壁!)、リズムや肉体性以上にメロディアスな要素や音色の気持ち良さが目立つ作りとなっている。

他の現代ジャズでは大きな影響があるが、本作で関係ないものとして、インディ・ロック、ビート・ミュージックが挙げられる(「ローファイ」も本作と関連がないワードの一つだろう)。ブレインフィーダーもオッドフューチャーもいるLAであるのにも関わらずだ。この不在(あるいは見え辛さ)こそ、テラス・マーティンの最も特徴的な要素と言える。R+R=NOWと聴き比べた時の、本作の圧倒的なメロウさ/快楽性は、一貫してLAヒップホップの延長であろうとする彼の姿勢ゆえだろう。(高橋)

Christian Scott / Stretch Music

Ropeadope (2015)

Christian Scott (tp, flugelhorn) Elena Pinderhughes (fl) Braxton Cook (as) Corey King (tb) Cliff Hines (g) Lawrence Fields (p, rhodes) Kris Funn (b) Corey Fonville, Joe Dyson Jr. (ds, sampling pad)

with: Matthew Stevens (g) Warren Wolf (vibs)

ニューオーリンズ出身のトランペット奏者、クリスチャン・スコットの7作目。本作ではリズム面で大きな飛躍を遂げている。二人のドラマーを起用し、曲によって使い分けているのが最大の特徴だ。

ドラムが音像の左右からフラッシュライトのように明滅する①や、アフリカとキューバのリズムが溶け合う②でのツインドラムは鮮烈。それぞれが単独で叩く曲では、④で荒々しく力強いファンク寄りのプレイをみせるコーリー・フォンヴィルと、⑪でパッド・ドラムとパーカッションとドラムセットを併用し音楽の過去と未来を繋ぐジョー・ダイソンという個性の違いにも注目したい。二人のドラム奏者を起用することで、アフリカ音楽をはじめに、世界各国の音楽のリズムや技法を取り入れた”ストレッチ・ミュージック”というコンセプトが実現した。

同時にサウンド面でも進化。③でのシンセの深い残響を生かした空間的なサウンド構築や、トランペットの多重録音で奥行きを加える②など楽器の響かせ方にも拘りが感じられる。演奏面ではエリーナ・ピンダーヒューズが凄まじいフルートソロを披露する①や、詩情溢れる⑨のトランペットソロが聴きどころだ。次作ではヒップホップに影響を受けたトラックメイク的な構成が見られるようになるが、本作ではマシュー・スティーヴンスのギターが燃える④など、ジャズ的なソロ回しやインタープレイが楽しめる点も魅力。(佐藤)

Christian Scott / Ruler Rebel

Ropeadope (2017)

Christian Scott (tp, flugelhorn, sampling pad) Cliff Hines (g) Lawrence Fields (p, rhodes) Corey Fonville, Joe Dyson Jr. (ds, sampling pad) Weedie Braimah, Chief Shaka Shaka (per)

with: Elena Pinderhughes (fl) Luques Curtis, Kris Funn, Joshua Crumbly (b) Sarah Elizabeth Charles (vo)

ジャズの方法論を放棄し、リズム隊をトラップのビートのように位置付け
クリスチャン・スコットによる、ジャズ誕生100年を記念した3部作の1作目。まずリズムに触れておきたい。前作にも参加したシンセ・パッドを併用するドラマー二人に加え、パーカッショニストを二人起用し、曲によって使い分けている。ベースレスで打楽器奏者四人が叩く①、②、③と、太いベースが鳴る⑦、⑧とのグルーヴの違いが面白い。トラップとアフリカ音楽が交わる⑤のビートも刺激的だ。

サウンドにも拘りが感じられる。様々な音がダイナミックに抜き差しされる①や、言葉が木霊し意味が演奏に溶け込むような④は空間的な音像だ。トランペットの多重録音も多く、編成ありきではなく、ヴィジョンを具体化するために必要な音を揃えていることが分かる。アジアの宮廷音楽を思わせる①や、西部劇の馬の足音のようなリズムの②など、サウンドがイメージを喚起する点も魅力的。

曲の構造にも注目したい。ピアノはソロの伴奏をしたり曲を進行させたりすることはなく、ループして曲を繋留。各楽器間でのインタープレイもない。そのようなジャズの方法論を放棄し、リズム隊をトラップのビートのように位置付け、その上で悠然とトランペットを吹く構成が鮮烈だ。ミーゴスに影響を受けたというが、前作のようにジャズの構造の中に現代的なビートを導入するだけでなく、曲の構造まで作り変えていることに驚いた。

そのソロ演奏が最大の聴きどころだ。円環的なリズムの上でトランペットが感情を解き放つ②、③や、フルートが機械のような精度で動き回る⑥には意識を釘付けにさせられる。革新的なビートと情景的なサウンド、そして感情表現としての演奏が結びついた本作は、異なるジャンルを取り込んで表現を拡張する”ストレッチ・ミュージック”の最新型であり、クリスチャン・スコットの最高到達点となる傑作だ。(佐藤)

Derrick Hodge / Live Today

Blue Note (2013)

Derrick Hodge (b, eb, keys, per) Chris Dave (ds / 1, 5, 6, 10, 11) Mark Colenburg (ds / 3, 4, 7, 12)

with: Robert Glasper, Aaron Parks, James Poyser, Travis Sayles (p, key) Keyon Harrold (tp) Corey King (tb) Marcus Strickland (sax) Casey Benjamin (vocoder) Jahi Sundance (turn tables) Common, Alan Hampton (vo) The American String Quartet

空間的な音像、全楽器をバランス良く生かしたオーケストレーション
フィラデルフィア出身でロバート・グラスパー・エクスペリメントやマックスウェルの作品への参加で知られるベース奏者/プロデューサー、デリック・ホッジのソロ1作目。テーマ〜ソロという展開はなく、マルチ奏者である本人と多数のゲスト・ミュージシャンが、シンプルなメロディやリフを素材に、即興的に演奏/アレンジ。アラン・ハンプトンが歌う⑨のソングライティングと比較すると、曲の構成の素朴さが見えてくる。様々な楽器の色で絵を描くような⑥に顕著だが、空間的な音像と、全楽器をバランス良く生かしたオーケストレーションが特徴的だ。

アフリカ音楽、ヒップホップ、フォーク、ニューオーリンズ・ファンクなど多様な音楽性が見られるが、ケイシー・ベンジャミンがヴォコーダーで歌う③での次作に通じるセンチメンタルな表現や、映画音楽の経験が反映された⑩での感情豊かなストリングス・アレンジ、トラヴィス・セイルズのオルガンが作品を温かく締めくくる⑬のゴスペルなど、聴きどころは多い。

コモンのラップと同時にドラムに耳を奪われる⑤でのクリス・デイヴや、⑦でMPCが壊れたような乱打を繰り出すマーク・コレンバーグ、③でトランペットを多重録音しアンサンブルを構築するキーヨン・ハロルド、⑩での透き通ったピアノがリリカルなアーロン・パークスなど、ゲスト陣の演奏も申し分ない。(佐藤)

Taylor McFerrin / Early Riser

Brainfeeder (2014)

Taylor McFerrin (b, ds, g, key) Marcus Gilmore (ds)

with: Robert Glasper, Cesar Mariano (key) Jason Fraticelli (b, vo) Thundercat (b) Nai Palm, RYAT, César Camargo Mariano, Emily King, Bobby McFerrin (vo)

プレイヤビリティとアンサンブルを同時に実現
テイラー・マクファーリンの最大の特徴は、ジャズとの影響を強く感じる楽曲/演奏にも関わらず、「自分はジャズ・ミュージシャンではない」というスタンスかもしれない。本人曰く、エレクトロニカやポストロックではなく、ジャズというよりも「ソウルやフュージョンにインスパイアされた」ビート・ミュージック。

演奏されているフレーズや和音はジャズとの関連があるように聞こえるが、ソロ、より正確に言えば明確なリード楽器/ソリストがいなく(ボーカルは除く)、あくまで質感やビート、フレーズの重なりや展開によって楽曲が進行していく。と、同時にプレイヤー(テイラー・マクファーリンはもちろんのこと、個人的には特にドラムのマーカス・ギルモア)の卓越した演奏が目立つ楽曲は、ジャズを経由し、そこから別のものとなった、新たな音楽と言えるだろう。プレイヤビリティとアンサンブルを同時に実現しようとしたことは、今こそ再注目すべきだ。

またシンセを音色の快楽性という観点だけではなく、プレイヤーとして使いこなして作られた作品という意味では、未だにこれを超えるものは無いのではなかろうか。複雑化しながらも破壊衝動が出てこないところは、フライング・ロータスやサンダーキャットとの1番の違いであり、彼の音楽の真髄であるように思う。(高橋)


Freelance / Yes Today


Revive Music Group (2018)

Tim Smith (vo) Chad Selph (keys) Craig Hill (sax) Yasser Tejeda (g) David Ginyard (b) Justin Tyson (ds)

伝統的なリズムから現代的なアプローチにも目配せしたドラミング
今、ニューヨークで最も注目されているプロモーター、リヴァイヴ・ミュージック。次世代アーティストを次々と発掘し、全ての表現の垣根をクロスオーバーさせる気鋭の集団である。そのリヴァイ・ヴミュージックから肝入りでデビューしたのがフリーランスだ。

ファンク、R&Bを基調としながらも、都会的でサラリとした触感のアルバムに仕上がっているが、楽器毎に焦点を当てて聞いていくと、なるほど、リヴァイヴが目をつけた理由がよくわかる。まず、耳に入るのはティム・スミス(vo)のクセの無いサラサラとしたテクスチャーの歌声。次に聞こえてくるのが、テレンス・ブランチャードのE・コレクティブのメンバーでもあるデイビッド・ジンヤード(b)の肉体的でうねりまくるベースライン。そして、R+R=NOWやエスペランサ・スポルディングなどビッグネームに立て続けに起用されてるジャスティン・タイソン(ds)。伝統的なリズムパターンから現代的なアプローチにも目配せしたグサッと刺さるドラミングまで、新機軸のドラミングを盛り込んでいる。

今後、さらに大きな渦となってムーブメントを作り出すであろうリヴァイヴ・ミュージック。
その周辺のミュージシャンから目を離す訳にはいかない。(川上陽平

ツアー詳細

日程

8月28日 ビルボードライブ東京(完売)
8月29-30日 ビルボードライブ大阪(詳細
9月1日 東京ジャズフェスティバル(詳細

メンバー

Robert Glasper (p, keys) Terrace Martin (synth, vocoder) Christian Scott (tp) Derrick Hodge (b) Taylor McFerrin (synth, beatbox) Justin Tyson (ds)

Photograph: Todd Cooper

  1. リギンズは90年代からドラマー/プロデューサーとしてコモンの作品制作に関わり、グラスパーも学生時代からコモンにジャズ・ミュージシャンを紹介するという長い付き合いになっている。